IPO -当社は上場すべきか?

その1 上場のメリットとデメリット
上場のメリットとデメリットについては、モノの本にいくらでも書いてあります。詳しくはそちらをご覧いただくこととして、ここでは本当の損得勘定はどうなの?というところについて書きたいと思います。 とはいえ、少しは基本的なところを押さえておきたいので、メリットとデメリットを要約します。究極の要約は、メリット=信用力が付くこと、デメリット=そのためのコストがかかること、です。

その2 上場すべきかどうかの判断
上場すべきかどうかの判断においては、その効果の中から、何を得たいのかをはっきりさせることです。上場すること自体が目的なら上場すればよいですが、創業者の夢と希望だけで会社全体が振り回されるのはいかがなものでしょう。

その3 上場できる会社と上場すべき会社
上場ができる会社と上場をすべき会社とは異なります。 一定の上場形式基準を満たしている会社で、かつ審査上の実質基準をクリアすれば基本的に上場は可能です。しかし上場基準スレスレの会社では、そのためのコストの方が上回ってしまい、差引の上場メリットはマイナスになってしまいます。

その4 上場でどの程度資金調達できるのか
IPOにおいては、株式を公募又は売出し(うりだし)により市場に放出することで、市場から資金を吸収します。発行済み株式数に対する、市場への放出(公募・売出)割合をオファリング・レシオといいます。

その5 上場のためのコストは?
一般に、新規上場に際して直接要する費用には、証券取引所に対する上場審査料や新規上場料のほかに、有価証券届出書などの開示資料の作成費用、主幹事証券会社に対するアドバイザリー報酬、監査法人に対する監査報酬、証券事務代行にかかる費用などがあります。

その6 で、損得勘定は?
上場準備に2億円以上のお金をかけて苦労して上場した結果として、数千万円しか資金調達ができないとすればどうでしょう。完全に赤字ですね。