その1 中計の位置づけ

事業計画の意義は2つある

事業計画は①会社の目標として立てるもの、②資金を投資してくれる投資家や株主に対して説明をするもの、の二つの側面があります。

会社としての目標値である中期経営計画は、今後の会社の方向性を定め、経営者及び従業員に周知することで、目標に進んいくための指針になります。

株主や投資家に対する計画という側面では、出資してもらった資金がどのように使われ、どうやって回収され、株主に還元されるプランなのかを説明するためのものです。

 

中期経営計画と単年度予算

事業計画には中長期の計画と単年度の予算があります。中期経営計画は通常3年から5年程度の期間で作成されますが、新興市場に上場するような会社では3年程度の期間で作成されることが多いです。3年間の事業計画の1年目が単年度の予算と一致します。

 

中期事業計画の作り方も2つある

中期経営計画は長くても5年間ですから、企業の一生からすればほんの一瞬です。あるべき姿は、企業の長期ビジョンに向かって、当面の3~5年間をどうするのか、ということですから、中計の最終年度をあたかもゴールのように設定するのは大きな間違いです。

中期経営計画は、通常固定式とローリング式の2種類があります。成熟した大企業では固定式を採用する場合が多いのに対し、新興企業の場合にはローリング式が望ましいとされています。上述の説明から理由は明らかですね。実際、新興企業にとっては、5年先の正確な予想など立てられるわけがなく、3年後だって怪しいことがほとんどで、投資家サイドとしても、そんな中途半端な時点における定量計画などはなから当てにはしていません。むしろ毎年の見直しを通じて、企業の長期ビジョンに対する進捗度合いをモニターしていくことを望んでいるのです。