その3 アグレッシブな中計とコンサバな中計

業績予想は保守的にするけれど

上場すると毎四半期の決算発表時に業績予想を開示することになります。業績予想の開示にあたっては、実際の目標としての社内予算よりも控えめな数字で公表するという会社が少なくありません。

将来の予測にあたっては、当然様々な要因が影響してきますので、強気な目標と保守的なシナリオがあって悪いことではありませんから、公表数値を控えめにすること自体は否定はしません。

 

上場審査でも使い分ける?

では上場審査の段階ではどうでしょうか。審査においても事業計画として複数のシナリオを用意することはあって良いと思います。しかし表向きの計画と裏の計画というような作り方は好ましくありません。あくまでも、複数の前提条件における複数のシナリオという考え方によるべきです。

 

可能性よりも確実性

上場審査においては事業が華々しく大きな伸びを見せるかどうかではなく、確実に達成できるかどうかが主眼になってきますので、無理に背伸びをした事業計画を作る必要はありませんし、逆に過度に保守的な事業計画である必要もありません。

よく証券審査においては、あまり控えめな事業計画だと、上場時の株価(公開価格)が低く抑えられてしまうのではないかという懸念を持つことがありますが、きちんとした証券会社であれば、上場審査を行う部署と公開価格を決める部署は異なっていますので、その心配はしなくてよいはずです。