その2 早めに着手しよう

それなりのボリューム

審査にあたっては、上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)と同(Ⅱの部)或いは「各種説明資料」と同時にこの「引受審査に係る個別資料」を見ます。

 

「引受審査に係る個別資料」の様式は日本証券業協会の規則に定められていますが、内容はⅠの部やⅡの部の範囲内です。ボリュームは少ない会社でも40~50ページ程度になるでしょう。

 

提出は東証審査の最中

実際の提出日は東証の上場承認予定日の3週間前、つまり上場審査の終盤です。この時期は、東証による審査対応(特に質問回答書の作成)に追われ、余計な書類を作る余裕などほとんどありません。最も忙しい時期といえるでしょう。ですから、早めの着手が望まれるわけですが、具体的には東証にひととおりの審査資料を提出した直後、東証が資料を読み込んでいる時期が時間的な余裕ができますのでお薦めです。

 

差替え修正も

しかし、残念ながらその時期に着手しても、完成させることはできません。東証審査はこれからですので、審査の過程でさまざまな指摘がなされ、各種説明資料やⅡの部などの上場申請書類に修正事項が発生します。そうすると、この「引受審査に係る個別資料」についても同期をはかって修正を加える必要が出てしまいます。

 

さらには、「引受審査に係る個別資料」をシ団に提出する時点でも、まだ東証審査は終了しませんので、そこから変更が生じることもあります。その場合には、いったん提出した個別資料を改めて差し替え提出することになります。