その2 上場申請手続き

上場申請手続き

上場申請は申請会社側から社長、上場申請の担当役員窓口となる担当者、そして主幹事証券会社の担当者が出席して東証において行われます。もっとも、2020年以降のコロナ禍の状況では、電子提出等の方法により、東証には実際に出向かずにリモートに申請として行われることもあります。

申請の場では、申請会社から、事業の内容や今後の成長計画などについての説明を行います。以前はここで簡単な質疑応答も行われましたが、2020年のコロナ以降は行われていません。

 

書類の提出

上場申請の日に、苦労して作成した上場申請書類を一式まとめて提出します。提出書類には申請のために作成した資料のほか、議事録やら諸規程やら会社の様々な内部資料を併せて提出します。

現在は電子提出の形式により、東証が指定する「JPXファイル授受システム」というストレージに格納することになりますので、全ての書類を PDF等の電子形式に変換しておく必要があります。

電子提出以外の書類、特に会社代表の押印がされた上場申請書本紙などはその場で直接手渡しになります。ただし、2020年以降のコロナ禍においては、郵送による提出となっており、若干味気ない状況です。

 

上場審査料の支払い

上場申請時には東証に対して審査料を支払う必要があります。審査料はプライム市場が400万円、スタンダード市場が300万円、そしてグロース市場が200万円です。審査に落ちても返金はされません。

 

審査担当官が決まる

上場申請書類を提出すると、その場で上場審査部の担当官が紹介されます。審査は通常3名程度のチームが組まれて担当します。

担当官による審査品質の差はないとはいえ、やはり人間ですから相性もあります。どんな審査官なのか、向こう2~3ヶ月の運命を共にすることになります。

そしてこの場で以後の審査スケジュールについての説明を受けます。ただし2020年以降のコロナの状況においては、この説明が電話もしくは Web 会議等に代わっています。