その3 上場審査のスケジュール

審査期間

上場審査にかかる期間はプライムやスタンダード市場で3ヶ月、グロース市場では2ヶ月程度とされています。審査が終了してめでたく合格すれば上場承認となり、実際の上場はその1ヶ月後です。

したがって、段取り時間を考慮すると、申請から上場までは、プライム・スタンダード市場の場合で4~5ヶ月、グロース市場の場合で3~4ヶ月です。もちろん、完璧にスムースに進捗した場合の話です。通常は主幹事証券会社が証券取引所と事前に協議をしてスケジュールを確定しますが、上場審査が長引き、当初のスケジュールが遅れることはよくあります。

 

審査スケジュール

申請日同日に、審査スケジュールについての説明が行われます。

審査は3回の書面による質問回答とヒアリング、実地調査及び役員面談で構成されます。

3回のヒアリングは概ねテーマが分かれており、第1回目のヒアリングが会社の全体像、すなわち沿革や事業内容、業界の環境、仕入や生産・販売の状況などについて取り上げられます。

第2回目のヒアリングは管理体制についてです。経営管理や内部管理、適時開示、内部監査や業務フローといった内容になります。

第3回目は経理財務関連です。決算の状況や予算・事業計画、そして今後の見通しなどがテーマです。

 

時間との勝負

第1回目のヒアリングは申請から中8日後と決められており、そのヒアリングの中4日前に書面による質問が提示されます。したがって、申請からおおよそ1週間程度は、東証審査官が書類をじっくり読みこんで質問内容を考える期間になるので、申請会社にとってこの1週間は束の間の静かな時間ということになります。

質問事項が提示されると、第1回目のヒアリングの1~2日前の日付で書面による回答書の提出期限が指定されます。つまり、休日を含めて1週間程の間で回答書を作成しなければならないというわけです。質問の数は数十問から100問以上にもなりますので、相当な労力と時間との勝負になります。

 

1問1回答の様式で

回答は証券会社審査同様、1問につき1回答として文書で回答書を用意し 必要な添付資料を付けるというスタイルになります。

特段東証指定の様式がある訳ではないので、証券会社審査のものと同様でOKです。こちらもキングファイルレベルのボリュームになりますので、目次などをつけて見やすく整然とファイリングすることが重要です。

回答書の提出も原則として電子提出になりますので、JPXファイル授受システムのストレージに期日までに格納します。期日には時刻まで指定されていますので、インターネット回線の調子が悪くて時間に遅れてしまったというようなことがないように十分注意しましょう。