その7 審査の最終仕上げ

電話による追加質問や補足質問も

このように、審査は形式的には3回の質問回答&ヒアリング、現地調査や役員面談といったイベントで構成されますが、実際にはその合間合間で、審査官からの電話攻撃を受けます。毎日複数回あると思ってよいでしょう。繰り返しですが、審査官は自分の疑問をはっきりとクリアさせなければならないわけですから、電話の本数が多いということは、自分の説明が不十分なのだと諦め、丁寧に説明すべきです。

 

タレコミに注意

東証による審査期間中によくあるのがタレコミです。東証としても「上場適格性に関する重要事実の受付」として積極的に窓口を設けています。しかし、上場審査中である事実は一般に公表されている訳ではないので、タレコミの殆どは内部関係者や元内部関係者(退任役員、退職者など)です。

本当に上場の適格性に関わるような重要事実も場合もあれば、根も葉もない中傷の場合まで様々ですが、東証としては、通報を受けた以上、事実関係を調査しなければなりませんので、申請会社に対する追加の質問や、場合によっては、審査期間の延長、最悪の場合には、上場の不承認といった事態になりかねません。

 

社長説明会までくればほぼ確実?

役員面談が終わってから2週間程度すると、社長説明会というイベントがあります。ここまで来れば上場承認はほぼ間違いなしと思ってよいでしょう。社長及び監査役が東証に出向き、審査担当の役員から最後の質問を受けます。非常に緊張するひと時です。

 

上場承認日

社長説明会の実施後、2営業日内に上場承認のための最後の審査会が東証で開催されます。審査会は午前中に行われますので、その会議が終わった後申請会社側に上場承認の可否について電話連絡が入ります。時間的には早ければ正午頃なのですが、遅い場合には午後2時頃ということもありますので、この日だけは昼食もとらず会議室でやきもきしながら電話を待つということになります。

 

この日の夜は、打上げですね!