その6 で、損得勘定は?

数千万円-2億円=?

では先ほどの話に戻りましょう。上場準備に2億円以上のお金をかけて苦労して上場した結果として、数千万円しか資金調達ができないとすればどうでしょう。完全に赤字ですね。

形式基準ギリギリの時価総額10億円ではまったく割に合わないという意味がお分かり頂けたでしょうか。

上述した最近の旧マザーズ新規上場会社の平均「資金調達額」が5億円程度だという意味も、ここからお判りいただけたかと思います。

 

業種や成長性可能性によりPERは異なる

もう一つ気をつけなければいけないのがPERです。先ほど東証の全産業の平均が14倍と書きましたが、会社の業種や成長可能性によってかなりのばらつきがあります。

成長可能性の高い AI 関連のIT企業などでは100倍以上のPERが付くこともあります。バイオベンチャーなどのように利益が出ていないのに高い株価がつくこともあります。この場合はPERが無限大ということになります。

 

建設業などは要注意

その一方で、建設業などの幾分地味な業種のPERは8倍程度です。自社の業種が何なのか、成長可能性はどこまで高いのか、その場合の株価がどの程度になるのかということも気にする必要があります。